シリーズ①単語帳を作らせるな
「英単語を覚えるな」と言っている訳ではありません。
逆に英検の各級では一般的に以下の語彙数が必要とされています。中学生が英検に初挑戦する時に最初にやらなければならないことが「英単語を覚える」ことではないでしょうか。学校では英単語テストを頻繁に行い、生徒に英単語を覚える重要性を知らしめています。英検受験に限らず学生である限り、英単語を覚える作業は続きます。
だからこそ中学生のうちに「英単語の効果的な覚え方」を身につけ着実に語彙数を伸ばしていく必要があります。
英検級 レ ベ ル 語 彙 数
4 級 中学中級程度 600~1,300
3 級 中学卒業程度 1,250~2,100
準2級 高校中級程度 2,600~3,600
2 級 高校卒業程度 3,800~5,100
準1級 大学中級程度 7,500~9,000
1 級 大学上級程度 10,000~15,000
日本でiPhoneが発売されたのは今から13年前(2008年)ですから、今の中高生の保護者の学生時代にはスマホはありませんでした。ひたすら単語帳を作っては通学途中や休み時間にピラピラとめくりながら覚えた記憶が少なからずあることと思います。その記憶からお子さんに「単語帳を作って覚えろ!」とアドバイスしたことがおありではないでしょうか?
お子さんは最初はやる気に燃えて単語帳やカードを作る作業に一生懸命になるのですが、飽きてくるとピタリと辞めてしまいます。ノートに英単語を10回づつ書いて覚えるというやり方も、やはり続くことは期待できません。この単調な作業を行うことが英語学習のメインの座に座ってしまうと、人間は元来慣れやすく飽きやすい性質がありますから、まず長続きはしません。
では「英単語の効果的な覚え方」とは?
「英単語の意味を日本語でA=Bという風に丸覚えしちゃいけないのか?」
丸覚えは次の理由で効率が悪いのです。
①その英単語が必ずしも覚えた意味で使われるとは限らない。
②日本語の意味に振り回されてかえって混乱することがある。
③関連のない二つの言葉を無理やりくっつけて頭に入れようとしているので、忘れやすい。
では「単語を覚えている」とはどういう状態かを考えてみましょう。
ゴールを知るとおのずとやるべき方法が見えてきます。
①リーディング:英単語を見て、瞬時に意味が分かる。
②リスニング :英単語を聴いて、思考が停止せずに意味が分かる。
③ライティング:英単語の品詞を正しく使え、スペルを間違えなく書ける。
④スピーキング:英単語を適切に使え、正しく発音できる。
ここまでできて、はじめて英単語を自分のものにしたと言えます。
上記のゴールに行き着くには、英単語を単体で覚えるのではなく、例文で覚える必要があります。英検各級のための英単語集には過去に出題された例文が載っているものがありますから、それを利用するのがおすすめです。スマホのアプリで音源をダウンロードできるようになっていますので、それを活用しない手はありません。
一度覚えた英単語はチェックしておき、まだ覚えていない英単語のみを繰り返し学習しましょう。
効率的な覚え方ですが、以下の組み合わせをお勧めします。
①例文をノートに書いたり、音読して覚える。常に2つ以上の感覚を使うように心がけましょう。
②まず音源を聴いて例文の意味を確認する。意味が分かったら音源に続いてリピートする。
できるようになったらオーバーラップやシャドーイングを行う。
③例文の日本語訳を見て、英語で書けるか作文してみる。
④例文の日本語訳を見て、英語で言ってみる。
学習者の得意なスキルを伸ばす方法も有効だと言えます。
例えば、書いて覚えることが得意なVisual系の方は、積極的に作文で覚えることが効率的でしょう。
耳の良いAudio系の方は、リピートやシャドーイングで音で覚えることが良いでしょう。
自分がどちらも得意でないと感じている方も諦めないでください!
これはスキルですから、誰でも習得することができます。
小さな頃、逆上がりがすぐにできるようになった友達を見て「自分はどうしてできないんだろう?」と思った記憶があるかもしれません。でもサポート台を使ったり、正しいやり方も教わったり、何度も練習することでできるようになったのではありませんか?
私は個人で得意な分野に違いがあっても、正しいガイダンスを受けてトレーニングをすれば、必ず身につけることができるスキルなのだと信じています。
一通りトレーニングをしたら、自分でテストをすることもうる覚えの英単語をしっかりと根付かせる方法です。
テストは前週に覚えた英単語を以下の方法でテストすると良いです。
①例文を読んで文章全体の意味を確認する。
②音源を聴いて意味が分かるかテストする。
③例文の日本語訳を見て、英語で書いたり、言ったりできるかテストする。
最後に英単語の学習ルーティンですが、毎日決まった時間に行うと良いです。
①隙間時間に2〜3くらいのトレーニング方法を用いて覚え、寝る前に再度10分間復習する。
②朝型の方は、学校に行く前のルーティンに組み込む。
③バスや電車で通学をする学生は通学途中もお勧めです。手元にスマホがあればアプリを起動して例文のリスニングができます。
④学校の休み時間に友達とテストし合うなども楽しく続けられる方法ですね。
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次回はシリーズ②「いきなり過去問題集を解かせるな」を掲載します。
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