シリーズ③
偶然正解した問題をそのままにするな

試験結果が返却されたら、必ず分析しよう
試験結果が返却されたら、まずは間違えた問題について分析されると思います。
間違えた理由は様々です。
①英単語の意味を知らなかったので、勘で答えたが不正解だった
②英文法を十分に理解していなかったので、文章の意味がよくわからなかった
③時間が足りずにぜんぶのもんだいを解き終わらなかった
④リスニングの内容が理解できないものがあった
⑤英作文を途中まで書いたが、良い理由がそれ以上思い浮かばなかったので、結論まで書かなかった
⑥試験の途中で集中力が切れてその後は適当に答えた
などなど
誰でも失敗に向き合うのは実に辛いものです。
全体のスコアと合格ラインまであとどのくらいかを見て、「あと少しだった」という感想で通り過ぎてしまいたくなる気持は理解できます。
ましてや、分析結果に基づいて次回の受験に向けて自分に足りない事を見極め、その部分を補うべく前回と違う方法を用いて学習するというのは、プロのコーチングレベルほどに難しい事です。
辛い現実に向き合う勇気を持とう
不合格が2度目、3度目ともなると、「以前やっていた学習方法と同じことをやっていても合格できない」という現実を前に、「書店で新しい参考書や問題集を購入する」という行動に走る方は多いかもしれません。
「不合格で傷ついた気持ちを一刻も早く癒したい」という気持ちから、「これをやれば次回は合格するだろう」と自分をなだめたくなるのは至極当然の行動です。
でも、考えてみてください。
「4つの技能をはかる試験で合格レベルに達していない」ということは、どの技能が足りないのかという問題の本質に切り込み対策しない限り、その周辺をぐるぐると回っているだけで、本物の英語力を得るための学習をしているかは疑問です。
分析に基づいた正しい学習方法を行なったかは、次回の結果で判断できます。
もし、学習の方法を見直して取り組んだ結果、試験結果が驚愕の伸びを見せているとすれば、あなたはご自身の弱点をしっかりと真正面から見つめ、逃げる事なく一つ一つ足りないピースを集めていき、どんなに険しい道も恐れずに進み続け、輝かしい高みに登られたまさに勝者です。おそらく非常にストイックに合格という金の王冠を得るべく、休まずに走り続けたことでしょう。
あなたの可能性を引き出そう
あなたが前回の結果に比べて、期待したような結果を出せなかったとしても簡単にあきらめないでください。それは「あなたが英語の才能がない人だから」でも、「参考書が分かりにくかったから」でも、「そもそも試験の問題が悪かったから」でもありません。
あなたはご自身でまだ開発できていない素晴らしい可能性をお持ちで、それが花開いたら「英語が得意科目」となる日が必ず訪れるポテンシャルを持った人なのです。

あなたが持っている種から花を咲かせるためには、良い土壌と肥料を準備し、毎日手入れを欠かさない誠実さが必要です。水のやり方や日光をどのくらい与えるのかも知らなければなりません。どんなに良い肥料でもやみくもに1日で1ヶ月分を与えたら、植物は取り込めずに根腐れをおこして枯れてしまうでしょう。
もしあなたが最高の参考書を購入しても、「あなたのための処方箋」がなかったら間違えた使い方をして、宝の持ち腐れになるばかりでなく、せっかく時間をかけた学習が実を結ばないという結果にガックリすることになりかねません。
プロのコーチのトレーニングのもたらす効能とは?
「何をどのくらい、どんな間隔で与えればよいか」を教えてくれるコーチがいたら、その道のりはコーチの指導と励ましに満ちた楽しい日々となります。コーチと一緒に、葉が出て、小さなつぼみがつき、それがだんだんとふくらみ、花が咲くのを期待を待つことができます。その過程があなたに希望を与え、トレーニングに慣れていくに従い、最初は辛かった内容を楽にこなしていることに気付くことでしょう。そうなれば、一人でも自分に必要なトレーニングを正しい方法で行い、合格レベルを超えてもさらに高い目標を見つけて取り組む意欲を持つことでしょう。
この過程こそが、英検合格の後にも伸び続けるトレーニングを取り入れたレッスンの効能なのです。
しかも学習者は自分の英語力が目に見えて伸びていることを体験しながらトレーニングしていくので、苦痛は少なく結果を手に入れる体験をするので、その後も続けていけるのです。
社会人になってからも、英語力は伸び続け、このトレーニングが自然とライフワークとなっていくことでしょう。目も前にある試験のためではなく、あなたが興味のある分野の情報を英語で読んだり聞いたりすることで広い視野を持ち、お仕事上でもどこに行っても戦える真の語学力を身に付けられることでしょう。
厄介なのは偶然正解した問題
今回講師が警鐘を鳴らしたいのは、分析の過程で出くわす厄介な「まやかしの正解」です。
「まやかし」と呼んだのは、たまたま偶然に正解しただけであり、なぜその選択肢を選んだのかと問われた場合、「なんとなく」としか答えられないからです。
たまたま正解したのには、以下のような羨ましいケースもあります。
自分では自覚していなかったが、いつの間にか英語の感覚が育っていて、あまり考えずに自然と答えに行き着いてしまった。つまり天才肌だったというケース。
自分が持っている英語力の高さに気づいてない生徒さんの背景で考えられるのは?
①実は海外で3年以上生活していた経験がある
②インターナショナルスクールに3年以上通っている
③ご家族の影響で毎日2〜3時間英語のニュースや映画を字幕なしで視聴している
「そんな家ある?」と思われるかもしれませんが、ご両親のどちらかがnon-native speakerである場合は、家の中で常に英語(外国語)で会話しているケースがあります。このケースはこのブログでお話ししている前提のお子さんー母国語が日本語の生徒さんと違うので、掘り下げずにおきます。
偶然正解した問題は分かるまでとことん追求しよう
ほとんど場合、「なんでかわからないが正解していた。」は純粋に単なる偶然で正解したということでしょう。
これが厄介なのは、「偶然でも正解していると、それ以上追求して学習する意欲が湧かない」からです。でも、偶然正解したのは確率の問題ですから、ぬか喜びは禁物です。どうしてそれが正解なのかをとことん分かるまで追求すべきです。
再度問題に向き合い、本文に散りばめらた難解な単語や構文を調べ、絡まった糸を丁寧に解くように理解していく作業が欠かせません。それができる人はいかに困難なデコボコ道もいとわずに、目的地に向かって進んでいく勇敢なドライバーです。
もし「偶然であっても正解した問題を見直す事はしないし、だいたい時間が無駄じゃない?」と思っていたら、今後もラッキーな正解がたくさんありますようにと願い、運を天に任せて英語の資格試験を乗り切らなければならないのです。
希望ある偶然の正解とは?
あなたが偶然で正解したのには、何らかの理由があるのかも知れません。
「この表現をどこかで覚えさせられたような気がした。」「他の選択肢は違うような気がした。」「雰囲気でなんとなくそんな感じがした。」そんな事を言う生徒さんが実は多いのです。
どこか消極的な印象の言葉の中に、あなたが掴みかけている英語力の欠片が見え隠れしています。あなたは基本的に学校の授業を真面目に受けていて、単語も覚える努力をしている人で、英語という壮大なパズルを完成すべくコツコツとピースを埋めている途中なのです。
まだくっつかないピースがとり散らかってはいるものの、学校で授業を受けるたびにそれらが結びついていくのでしょう。

ただ、意識的に散らかってしまっているピースを拾い集めていかなければ、いつまでたっても穴が空いている部分がそこらじゅうに残っている状態を修正できません。あなたが、偶然に正解した問題こそ、その穴ぼこである可能性があるのです。
自分で考えても分からない問題は学校の先生に質問しましょう。質問が簡単に出来ない環境であれば、良いコーチを探してしっかりと理解しましょう。
そうすれば、偶然の正解が完全に理解した正解へと変わっていき、フワフワとした理解から確信のあるものへとなるでしょう。そうなれば、あなたは友達が苦労している場合、教えてあげられるようになっている事でしょう。
試験は自分に欠けている部分を見つける機会と捉えて、たとえ合格された後でも偶然正解した問題はしっかりと理解できるまで追求しましょう。
英検を受験する中高生と保護者に向けて3回シリーズで書いてきました。今後も英語学習のヒントとなる内容をお届けしていきたいと思っています。
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体験レッスンでお会いしましょう。
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